人生を変えたフランスパン
宮古島には長年愛される小さなパン屋がある。
店主・赤松空さんが好きなもの。空と猫十字社(作家)を組み合わせた「空猫十字社」は、シンプルな素材と自家製の天然酵母を使った、カラダにやさしいパンが特徴だ。
店主・赤松空さんが好きなもの。空と猫十字社(作家)を組み合わせた「空猫十字社」は、シンプルな素材と自家製の天然酵母を使った、カラダにやさしいパンが特徴だ。
「できるだけ副材料は使わず、小麦粉と水と塩だけ。それで十分においしいパンができます。お店の方針としてそうしているわけではなく、結局はそういったシンプルなパンが残っていくんです。主食なので『食べて飽きない』パン作りを心がけています」
「私は小麦粉から作られる酵母を使っています。理由としては、同じ小麦同士なのでパンの食感に大事な『やわらかさ』や『かたさ』などブレが出にくいから。うちはシンプルなパンが多いので、安定を求めます。思い通りのパンが作れる、そういう安定という意味では小麦が一番です」
「私は小麦粉から作られる酵母を使っています。理由としては、同じ小麦同士なのでパンの食感に大事な『やわらかさ』や『かたさ』などブレが出にくいから。うちはシンプルなパンが多いので、安定を求めます。思い通りのパンが作れる、そういう安定という意味では小麦が一番です」
パンがふわーっと発酵していく瞬間がたまらないという空さん。本当にパンが大好きな方だなと思いきや、なんと昔はパンが大嫌いだったそう。
「臭いし、やたら甘くて。時代もあったのかもしれません(笑)」
しかし、人生を変える瞬間があった。
「あるフランスパンを食べたときに『すごい!おいしいじゃない!』って」と運命の出会いを振り返り「心が震えた」と表現した。そこから修行を積んでパン作りを学び、19年前に地元・宮古島で空猫十字社を開業するのであった。
「臭いし、やたら甘くて。時代もあったのかもしれません(笑)」
しかし、人生を変える瞬間があった。
「あるフランスパンを食べたときに『すごい!おいしいじゃない!』って」と運命の出会いを振り返り「心が震えた」と表現した。そこから修行を積んでパン作りを学び、19年前に地元・宮古島で空猫十字社を開業するのであった。
焼きたて信仰に「喝」
the rescapeでは、空猫十字社で作られた「さんぴん茶」と「キビ砂糖」を使ったパンを提供している。
「おいしいだけでなく、宮古島っぽさのあるパンを作っていただいています。これまでも6種類ほど作ってもらいました。the rescapeは季節によってメニューの内容を変えているので、空さんにはその料理に合ったパンの提案もしてくれて本当に助かっています」
そう語るのはthe rescapeの総料理長を務める川島伸介だ。
「ホテルに宿泊されている皆さんには、ぜひ食べることを楽しんでほしいです」と空さんもメッセージをくれた。
そんなパン職人の空さんにおすすめの食べ方を聞くと「おいしさの決め手はどれだけ気泡を作れるか。私たちは気泡を食べると表現します。大きくふわっと焼き上げると、ふんわりとしたおいしいパンが出来上がります。食パンなどの大きなパンは、実は1日置いた方がおいしいですよ」と答えてくれた。
「焼きたてよりも?」
のちに野暮な質問となるのだが、このときは到底気付かない。パンは焼きたてがおいしい。一般的な常識だと思っていたからだ。
「風味はいいんです。でも生地が暴れている状態。1日経ってある程度に水分が抜けて、いろんな味がなじんだものをトーストで温めて食べる。これが一番おいしい食べ方」と空さんに強く提言された。
すると「焼きたてって、実は思い込みなんですよ。湯気がふわっと出ているからおいしそうに見えるだけで。たしかに香りはいいんですが」と料理長も会話に入ってくる。
「そうなんです!『焼きたて信仰』が根強い。焼いたものを冷まして冷凍してデンプンの変化を止める。そして翌朝トーストで加熱して食べる。これが一番です」と空さんもヒートアップ。
なるほど、今度から食パンはそうして食べよう。「料理のプロ」と「パン作りのプロ」がそう断言するのだから。
「おいしいだけでなく、宮古島っぽさのあるパンを作っていただいています。これまでも6種類ほど作ってもらいました。the rescapeは季節によってメニューの内容を変えているので、空さんにはその料理に合ったパンの提案もしてくれて本当に助かっています」
そう語るのはthe rescapeの総料理長を務める川島伸介だ。
「ホテルに宿泊されている皆さんには、ぜひ食べることを楽しんでほしいです」と空さんもメッセージをくれた。
そんなパン職人の空さんにおすすめの食べ方を聞くと「おいしさの決め手はどれだけ気泡を作れるか。私たちは気泡を食べると表現します。大きくふわっと焼き上げると、ふんわりとしたおいしいパンが出来上がります。食パンなどの大きなパンは、実は1日置いた方がおいしいですよ」と答えてくれた。
「焼きたてよりも?」
のちに野暮な質問となるのだが、このときは到底気付かない。パンは焼きたてがおいしい。一般的な常識だと思っていたからだ。
「風味はいいんです。でも生地が暴れている状態。1日経ってある程度に水分が抜けて、いろんな味がなじんだものをトーストで温めて食べる。これが一番おいしい食べ方」と空さんに強く提言された。
すると「焼きたてって、実は思い込みなんですよ。湯気がふわっと出ているからおいしそうに見えるだけで。たしかに香りはいいんですが」と料理長も会話に入ってくる。
「そうなんです!『焼きたて信仰』が根強い。焼いたものを冷まして冷凍してデンプンの変化を止める。そして翌朝トーストで加熱して食べる。これが一番です」と空さんもヒートアップ。
なるほど、今度から食パンはそうして食べよう。「料理のプロ」と「パン作りのプロ」がそう断言するのだから。
「小さなお茶会」の姿を追いかけて
店名にもなっている「猫十字社」は空さんが好きな作品「小さなお茶会」の作者だ。空さんの原点であり将来の夢にもなっている。
「猫の夫婦がお茶を飲むだけ。でも、そのお茶がとてもおいしそう。それで食品を扱うお店をやりたいなって思うようになりました。お茶の教室に通い、そこからいろんな人との繋がりがあって、最終的にパンに落ち着いたんです」
「でも、やっぱりお茶やりたい(笑)こっちでパンをやって、どこかでお茶もやる。それが私の夢かな」
「猫の夫婦がお茶を飲むだけ。でも、そのお茶がとてもおいしそう。それで食品を扱うお店をやりたいなって思うようになりました。お茶の教室に通い、そこからいろんな人との繋がりがあって、最終的にパンに落ち着いたんです」
「でも、やっぱりお茶やりたい(笑)こっちでパンをやって、どこかでお茶もやる。それが私の夢かな」