宮古島へはフリーダイビングを目的に何度か訪れているというTAMAOさんは、サーフィン、SUP、フリーダイビングと、海にまつわるアクティビティをこよなく愛するヨギーニ。
この島のアクティビティ・シーンを語るうえで欠かせないのが、海外の離島に負けずとも劣らない色とりどりのサンゴ礁と遠浅で白砂のビーチの美しさ。そんな環境下で楽しめるアクティビティは、ダイビングのほか、シュノーケリングやSUP、サーフィンと盛りだくさんなのだ。
満潮前後の2時間を狙う、宮古島の波乗り事情
「一度はこの島で波乗りをしたいと思っていた」というTAMAOさんが到着早々に向かったのは、東側にある吉野海岸。宮古島で最もポピュラーなサーフポイントの一つである。ビーチアクセスだがポイントまで100m以上もあること、波の変化が激しいことから中級以上向けのポイントと言えるだろう。
宮古島では、波乗り事情も本島や他の離島とは少々異なる。満潮前後の2時間程度しか波に乗れないのだ。極上のビーチブレイクを誇るこの島では、干潮時にはカミソリのようなリーフがむき出しになるからだ。
「自然相手のアクティビティって、本来そういうもの。自然には自然のリズムがあって、人間の都合や事情には合わせてくれない。そこで楽しませてもらうには、私たちが自然に対して敬意を払い、寄り添うしかないんです。だからこそ謙虚になれるし、一本一本に集中する。与えられた状況を目一杯満喫しよう、そういう気持ちで臨むことがアウトドアを楽しむコツ」
今回はサーフィンを通じて、ローカルのサーファーとの素敵な出会いにも恵まれた。サーフショップ「SWELL」を営む平良直也さんは、地元サーフシーンのキーパーソン。共通の知り合いがいたこともあってすっかり意気投合した。
「宮古島ならではの海の文化や風土を次世代に引き継ぐために、ローカルの若いサーファーを育てていきたい」(平良さん)
「島外の私たちが持ち込む新しいカルチャーと、ローカルの人々が大事にしている文化や歴史。それぞれを互いに共有し合って、海にまつわる世界をもっと広げていけたらいいですね」(TAMAOさん)。
サーフィンという共通言語で、人と自然が密接に関わるこの島の未来を描いていく。
海の中に広がっている、神秘の世界の入り口へ
宮古島の海遊びは満潮時だけのものではない。例えばシュノーケリング。宮古島から北北東4kmに位置する大神島は、島きってのパワースポットでありウスコモンサンゴの大群生地として知られる。宮古島でも池間島と大神島周辺にしか残っていないという希少なサンゴをお目当てに、海中散歩に興じてみよう。
シュノーケルマスクの向こうで繰り広げられているのは、真っ青なサンゴ、色とりどりの魚にウミガメ。マスクとフィンをつけたTAMAOさんは、たくさんの海の生き物たちが行き交う中を自在に遊泳する。
「サーフィンをきっかけに始めたフリーダイビングは、最小限の道具だけで海の中を散策できる、ミニマルを極めたような遊びです。シュノーケリングも同様で、道具がミニマルだからこそ自分と海のつながりをダイレクトに感じることができる」
そんな海のワンシーンから垣間見えるのは、私たちに畏怖心さえ抱かせる、深遠で神聖な世界だ。ただ綺麗なだけではない海に息づく神秘を、たくさんの人に味わってみてほしい、とTAMAOさん。宮古島でのシュノーケリング体験は、そうした世界の入り口になると考えている。
圧倒的なサンセット、遥かな宇宙を感じた星空。「とっておき」を探す旅
Hotel Locusのゲストにとって最も近い遊び場が、市街地から徒歩でアクセスできるパイナガマビーチ。絶好の夕日が楽しめるというロケーションだ。ここでのアクティビティとしてTAMAOさんがチョイスしたのがSUP。
「SUPの魅力は、高い視点でのライディング。風景を楽しみながら、波に乗ったりクルージングしたり。コンディションに合わせた乗り方を選ぶことができます。浮力があるので初心者も乗りやすく、遊びの幅も広い。キャンプ道具を積んでビーチからビーチへ、島から島へと旅したり、愛犬と一緒に波乗りを楽しんだり。SUPの上でヨガや釣りだってできるんですよ」
薄紅色から茜色、そして薄紫へグラデーションを描く夕景を眺めながらのSUPヨガ。水平線から昇るサンセットの、神々しいまでの光に包まれた太陽礼拝。海へと続く東平安名崎のワインディングロードを駆け抜けた早朝ラン。生命のエネルギーをぎゅっと凝縮したようなこの島を、TAMAOさんは「水と空の楽園」と表現する。地平線が描くおおらかな丸み、空と海の境界が溶け合って一つになる様子。サンセットからサンライズ、そして満点の星へと移り変わっていくさまを、水の中で、空の下で間近にした。
自身が体験したこの島のパワーを、Hotel Locusをベースにヨガリトリートを行うことで多くの女性と共有したいとTAMAOさんは考えている。ヨガやサーフィン、シュノーケル、SUPを中心としたアクティブなプログラムは、信頼すべきローカルの人々とタッグを組んで行うものだ。そこには、宮古島の知られざる魅力を地元の人々自身にも知ってほしいという思いがある。
もちろん、自身もその遊びをさらに深化させるつもりだ。
「次は自転車で島を巡って、『とっておき』のロケーションを探してみたい」
自転車に加え、SUPにキャンプ道具を積んで海中洞窟を探検したり、ビーチにテントを張って星空の下でキャンプしたり。この島にはランや自転車、SUPのスピードがよく似合う。そういうのんびりとした旅こそが、心を震わす奇跡のようなシーンに巡り合わせてくれるからだ。