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運営元 沖縄UDS株式会社
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「おいしい」のその先へ。
野菜に新たな価値を生み出す

the rescape proud ~つながる想い、紡ぐ誇り~
人はそれを「國仲マジック」と呼ぶ
人には「固定概念」というものがある。例えば「ピーマンといえば?」を想像してほしい。緑、肉詰め、無限ピーマンなど、いろいろなピーマンに関するイメージやワードが脳内を飛び交ったに違いない。その中に悲しいが「苦い」「子どもが嫌い」と思った方も少なくないはずだ。

しかし、宮古島にはそんな固定概念を一蹴する「ピーマン」がある。
農家の國仲博道さんが育てるピーマンは、まったく苦みがない。それどころか、みずみずしく甘みがあり、そのまま生で食べてもおいしい。地元では敬意を込めて「國仲マジック」と呼ばれている。the rescapeのシェフ・中山健太郎も國仲さんの魔法にかけられた人物のひとりだ。

「國仲さんのピーマンを使った料理を提供している飲食店にたまたま行きまして。メニュー名もそのまま『國仲さんのピーマン』って書いてあって。それを食べたときに『うまっ!』って衝撃を受けました」

「この野菜はすごいぞ!ってなり、そこからすぐにインスタグラムを調べて。『畑に行ってもいいですか?』って連絡していました(笑)」

中山が驚いたポイントは3つ。
「肉厚で」「ツヤがあり」「生で食べられるほどの甘みがある」という点だ。

the rescapeでは、その特徴を生かして食事の最初(アミューズ:小前菜)として出すことが多い。そのほか、メインディッシュである肉料理の付け合わせなどでも重宝しているそうだ。

「氷水でしめて生のピーマンとアンチョビソースを合わせてバーニャカウダーに。素材そのままのおいしさを味わってほしいための調理法です。メインの付け合わせもシンプルに焼いたものを提供しています」



主役級の野菜たち
國仲さんはピーマン以外にも、ニンジンや玉ねぎを育てている。
「ニンジンは甘みが強い『愛うさぎ』という品種を育てています。宮古島の土壌にもよく合う。玉ねぎも甘みが強いです。畑が海の近くなので、潮風にのってミネラルが土壌に運ばれてくるので、その影響もあるのかなと思います」

國仲さんの野菜は肉や魚に勝るとも劣らない、まさに主役級のおいしさと中山は語る。
「ホテルではいろいろと試行錯誤して調理します。個人的にピーマンもそうですが、ニンジンや玉ねぎは、まるごと丸焼きにしてもいい。ほくほくとしてジューシーでうま味があって。栄養価も高い野菜たちなので本当に間違いない」

そんな野菜はもちろんホテルのゲストからも好評とのことだ。
「肉や魚、フルーツなど宮古島にはおいしいものがたくさんありますが、まずは野菜を食べてほしいですね。おいしい野菜を知ってぜひ島のリピーターになってほしい。野菜のポテンシャルは高いですよ」と嬉しそうに目を細める國仲さんが印象的だった。
野菜の「価値」とは?
最後に國仲さんに今後の展望を聞いている中で、ある意味で業界に一石を投じるような、こんな話があった。

「今後は野菜の安定供給を目指しています。例えばピーマンは、県外でピーマンがあまり作れない寒い時期に、暖かい宮古島で作って収穫する。そうすることで自分の野菜に価値を付けていきます。しかしデメリットとしては、通常のピーマンよりも大きくなるまでに時間がかかること。途切れなく出荷できるよう収穫時期をずらすなど、工夫を行い安定して提供できるよう努力しています」

「また、販路先も大体皆さんはJA(農業協同組合)さんに卸していますが、僕の場合はそれをしていません。独自の販路先、the rescapeさんや一部の飲食店さんのみ提供しています。これは少しでも単価を上げたいという想いがあるから。儲けたいのではなく、適正な価格という意味です。野菜の価値を上げるために、とても重要なことだと考えています」

世界情勢などの影響を受け、肥料やハウスなどの野菜を育てるための費用は高騰している。しかし、物価高騰の煽りを受け消費者もより安いものを求める。

野菜の「価値」とはどこにあるのだろうか。
今一度、それを吟味し「適正な価格」で取引をし、その魅力や価値を余すことなく料理というカタチで届けていく、伝えていく。それが、私たちthe rescapeの使命なのかもしれない。

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